時宗総本山遊行寺では、毎年11月18日から11月28日まで「歳末別時念佛会」という特別な法要が行われます。この法要は、一遍上人以来今日まで 700 年以上も続けられている厳しい修行です。明治の頃までは12月24日から30日までの七日七夜にわたる行事でしたが、近年では11月に執り行われ、27日夜には「御滅燈(おめっとう)」の式、つまり「一ツ火」の儀式が行われます。この儀式は1年間の罪業(ざいごう)を懺悔(さんげ)して心身ともに清浄になって新しい年を迎えることと、さらに重要なことは、極楽世界への往生を体得することだと言われています。
27日夜の「一ツ火」は、この修行の中で最も厳粛な儀式です。「一ツ火」の前段は、「報土(極楽)入り」であり、それはすなわち「浄土往生の実践行」です。後段「御滅灯(一ツ火)」では、本堂内の火が次々に消され、最後に大光灯を報土役というこの儀式の「主役」が消し、後灯を後灯役というこの儀式の「助演役」が消します。すべての火が消された漆黒の闇の中で、十八念仏が始まり、報土役・後灯役は火打ち石で火を起こします。一度目は空中で火花を散らす「見せ火」で、二度目で「火口箱」に火花を打ち込みます。打ち込まれた火は、闇からしだいに灯明へと移され、同時に遊行上人を始め居並ぶ僧侶の底力のある念仏が静かな堂内に満ちてくると、再び弥陀と釈迦の光明に照らされた世界が戻り、末法の世の中に念仏のみがただ一つの救いであることが、胸の奥深くに沁み通るのです。闇黒と光と念仏と、人々はこの3つが織りなす雰囲気に感激し、念仏のありがたさを体得するのです。ここに 700 年余にわたる伝統の火が念仏とともに輝き出すのです。
ちなみに、本年の「報土役」は、高1生・高2生が学林の「合掌・礼拝、そしてお念仏」でご指導をして頂いた梅谷泰樹先生(時宗総本山遊行寺法務執事)です。
一つ火の一会と思ふ小豆粥 北澤瑞史(本校旧職員/「季」創刊主宰/元藤沢市俳句協会会長/平成10年6月4日逝去 享年61歳)
※「一ツ火」は、「コロナ禍前」には「予約不要の公開行事」でしたが、「コロナ禍後」は、参拝人数を制限する「整理券制」となっています。
27日夜の「一ツ火」は、この修行の中で最も厳粛な儀式です。「一ツ火」の前段は、「報土(極楽)入り」であり、それはすなわち「浄土往生の実践行」です。後段「御滅灯(一ツ火)」では、本堂内の火が次々に消され、最後に大光灯を報土役というこの儀式の「主役」が消し、後灯を後灯役というこの儀式の「助演役」が消します。すべての火が消された漆黒の闇の中で、十八念仏が始まり、報土役・後灯役は火打ち石で火を起こします。一度目は空中で火花を散らす「見せ火」で、二度目で「火口箱」に火花を打ち込みます。打ち込まれた火は、闇からしだいに灯明へと移され、同時に遊行上人を始め居並ぶ僧侶の底力のある念仏が静かな堂内に満ちてくると、再び弥陀と釈迦の光明に照らされた世界が戻り、末法の世の中に念仏のみがただ一つの救いであることが、胸の奥深くに沁み通るのです。闇黒と光と念仏と、人々はこの3つが織りなす雰囲気に感激し、念仏のありがたさを体得するのです。ここに 700 年余にわたる伝統の火が念仏とともに輝き出すのです。
ちなみに、本年の「報土役」は、高1生・高2生が学林の「合掌・礼拝、そしてお念仏」でご指導をして頂いた梅谷泰樹先生(時宗総本山遊行寺法務執事)です。
一つ火の一会と思ふ小豆粥 北澤瑞史(本校旧職員/「季」創刊主宰/元藤沢市俳句協会会長/平成10年6月4日逝去 享年61歳)
※「一ツ火」は、「コロナ禍前」には「予約不要の公開行事」でしたが、「コロナ禍後」は、参拝人数を制限する「整理券制」となっています。