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school-news-a516 校長ブログ~施餓鬼会(せがきえ)~

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校長ブログ~施餓鬼会(せがきえ)~
日本仏教で広く行われている法会(ほうえ)に、「施餓鬼会」があります。施餓鬼会は、7月から8月のお盆前後にかけて各寺院で営まれることが多く、お檀家の方々がこぞって参列します。この法要に参列したことがある人は、皆さんの中にいるでしょうか?
 施餓鬼会は、「お盆」の時期の近くに執り行われますので、身近で亡くなった大切な方々を供養する法要と考えられがちですが、本来は食べ物や飲み物がのどを通らないために飢えや渇きに苦しむ存在「餓鬼」に施しをすることを目的にしています。その由来はお経の中に次のように説かれます……あるときお釈迦さまの弟子の一人、阿難(あなん)尊者が修行をしていると、焰口(えんく)という餓鬼が現れ、「お前の命はあと3日だ。そして死後、我々と同じ餓鬼の世界に生まれ変わるだろう。生き長らえたければすべての餓鬼と修行者に食べ物や飲み物を施し、そして仏とその教えと教えを信じる人々を供養せよ」と告げました。驚いた阿難はすぐにお釈迦さまのもとへ行き、どうしたらよいか尋ねると、お釈迦さまは、餓鬼が食事をできるようにする作法と、少量のお供えも無限に変じる呪文を授けます。阿難がその通りにすると餓鬼たちは救われ、その功徳により阿難の命も長らえたと伝えられています。
 これにならい、施餓鬼会では食べ物を供えた祭壇を設け餓鬼を供養し、その功徳をご先祖さまや大切な方に振り向けるのです。
 私が住職をしている鎌倉の時宗西御門来迎寺では、この25年ほどは毎年8月10日に施餓鬼会を営んでいます。この施餓鬼会は、A寺は7月22日、B寺は7月25日、C寺は7月27日というように、近隣10数ヶ寺で日を決めて、各寺院の住職・副住職が、いわば「ツアー」のように各寺院を回るのです。ですから、施餓鬼の「最盛期」には1日おきに同じメンバーと顔を合わせるような状況になるのです。
 しかしながら、最近施餓鬼会の実施時期に変化が出てきました。施餓鬼会が行われる7月から8月は近年「猛暑・酷暑」であり、参詣者が熱中症などにかかる危険性が増してきたのです。そこで、熱中症や雨天を避けるため、近隣寺院3ヶ寺が「5月実施」に踏み切りました。ここにも温暖化が影響を及ぼしているのです。
 ちなみに、本日5/27は東山勉理事長先生のお寺で施餓鬼会が営まれます。(私も行って参ります。)
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