中学3年生は、修学旅行にあたる「熊野研修旅行」に出かけ、先週3泊4日の行程を終えて帰ってきました。今年の実施日は 11/11(火)~11/14(金) の3泊4日で、私は校長として昨年に続き引率いたしました。
熊野研修旅行は、平成25年(2013)11月に、当時私が学年主任兼担任として引率したことから始まり、今年で13回目を迎えました。コロナ禍でも一度も途切れることなく実施してこられたことは、本当に「熊野には何か不思議がある」と感じさせられます。
あらためて申し上げるまでもありませんが、なぜ藤嶺藤沢が「熊野」を訪れ続けているのかについて確認しておきたいと思います。本校は、隣接する時宗総本山遊行寺(清浄光寺)を母体とする学校です。時宗宗祖一遍上人(1239~1289)は出家後、日本全国を巡りながら修行の旅(遊行)を続けました。
文永11年(1274)、一遍上人36歳の時、四天王寺に詣で、ここから念仏札を配ること(賦算)を始め、高野山を経て熊野へと向かいます。熊野本宮近くで一人の僧と念仏札をめぐって行き違いが起こったため、上人は念仏勧進の心構えを求めて熊野本宮証誠殿に参籠しました。すると、夢枕に熊野権現があらわれ、人々に念仏を勧める際の心構えを授けたと伝えられています。時宗ではこれを「一遍上人が悟りを開いたとき」と位置づけています。
つまり熊野は、時宗にとって一遍上人が悟りを開いた「聖地」であり、藤嶺藤沢の宗教的ルーツでもあるのです。熊野研修旅行とは、一遍上人の足跡をたどり、聖地を巡り、そして本校の原点に出会う旅でもあります。
熊野は「呼ばれなければ行かれない場所」と言われるように、今でも決して行きやすい場所ではありません。だからこそ、熊野の地にたどり着くこと自体に大きな意味があり、古来より「よみがえりの地」として人々の信仰を集めてきたのです。
今回の熊野研修旅行を通して、中学3年生は「歴史に触れる学び」だけでなく、「仲間と助け合いながら乗り越える力」や「自分と向き合う時間」を得ることができました。険しい道のりをともに歩いた経験は、確かな成長としてそれぞれの心に刻まれたように感じます。
私は今年で4年連続の熊野参詣となりました。今年もまた、生徒たちとともに熊野の空気に触れ、あらためて心身を整える旅になったように感じています(果たして生まれ変わって帰ってこられたでしょうか?)
最後になりましたが、旅行中と旅行後にインフルエンザを発症してしまった生徒がかなり出てしまいました。一日も早い快復をお祈り申し上げますとともに、心からお見舞い申し上げます。
追伸①
歴代の遊行上人は、お上人就任後に熊野本宮大社へ詣でる「熊野奉告」をしきたりとしてきました。現藤嶺学園理事長東山勉先生は、3年前に遊行七十五代他阿一浄上人に就任され、遊行寺での一連の行事を終え、一昨年3月に無事「熊野奉告」を済まされました。
追伸②
「熊野」の「真実」にさらに触れたい方には、『熊野詣 三山信仰と文化』(五来重著/講談社学術文庫)をおすすめします。
追伸③
私は自称「雨に降られない男」でありますので、今年も熊野古道参詣道7kmを歩き熊野本宮大社参拝の日は、朝からどんより曇り空でしたが、雨は降りませんでした。(熊野大権現のご加護です!)
熊野研修旅行は、平成25年(2013)11月に、当時私が学年主任兼担任として引率したことから始まり、今年で13回目を迎えました。コロナ禍でも一度も途切れることなく実施してこられたことは、本当に「熊野には何か不思議がある」と感じさせられます。
あらためて申し上げるまでもありませんが、なぜ藤嶺藤沢が「熊野」を訪れ続けているのかについて確認しておきたいと思います。本校は、隣接する時宗総本山遊行寺(清浄光寺)を母体とする学校です。時宗宗祖一遍上人(1239~1289)は出家後、日本全国を巡りながら修行の旅(遊行)を続けました。
文永11年(1274)、一遍上人36歳の時、四天王寺に詣で、ここから念仏札を配ること(賦算)を始め、高野山を経て熊野へと向かいます。熊野本宮近くで一人の僧と念仏札をめぐって行き違いが起こったため、上人は念仏勧進の心構えを求めて熊野本宮証誠殿に参籠しました。すると、夢枕に熊野権現があらわれ、人々に念仏を勧める際の心構えを授けたと伝えられています。時宗ではこれを「一遍上人が悟りを開いたとき」と位置づけています。
つまり熊野は、時宗にとって一遍上人が悟りを開いた「聖地」であり、藤嶺藤沢の宗教的ルーツでもあるのです。熊野研修旅行とは、一遍上人の足跡をたどり、聖地を巡り、そして本校の原点に出会う旅でもあります。
熊野は「呼ばれなければ行かれない場所」と言われるように、今でも決して行きやすい場所ではありません。だからこそ、熊野の地にたどり着くこと自体に大きな意味があり、古来より「よみがえりの地」として人々の信仰を集めてきたのです。
今回の熊野研修旅行を通して、中学3年生は「歴史に触れる学び」だけでなく、「仲間と助け合いながら乗り越える力」や「自分と向き合う時間」を得ることができました。険しい道のりをともに歩いた経験は、確かな成長としてそれぞれの心に刻まれたように感じます。
私は今年で4年連続の熊野参詣となりました。今年もまた、生徒たちとともに熊野の空気に触れ、あらためて心身を整える旅になったように感じています(果たして生まれ変わって帰ってこられたでしょうか?)
最後になりましたが、旅行中と旅行後にインフルエンザを発症してしまった生徒がかなり出てしまいました。一日も早い快復をお祈り申し上げますとともに、心からお見舞い申し上げます。
追伸①
歴代の遊行上人は、お上人就任後に熊野本宮大社へ詣でる「熊野奉告」をしきたりとしてきました。現藤嶺学園理事長東山勉先生は、3年前に遊行七十五代他阿一浄上人に就任され、遊行寺での一連の行事を終え、一昨年3月に無事「熊野奉告」を済まされました。
追伸②
「熊野」の「真実」にさらに触れたい方には、『熊野詣 三山信仰と文化』(五来重著/講談社学術文庫)をおすすめします。
追伸③
私は自称「雨に降られない男」でありますので、今年も熊野古道参詣道7kmを歩き熊野本宮大社参拝の日は、朝からどんより曇り空でしたが、雨は降りませんでした。(熊野大権現のご加護です!)

























