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校長ブログ~かまくら春秋~
鎌倉鶴岡八幡宮前の「若宮大路」に「かまくら春秋社」という出版社があります。本校もいろいろとお世話になっています。例えば、『創立百周年記念誌』や、一連の『藤嶺叢書』などがそうです。
 その「かまくら春秋社」が『かまくら春秋』という月刊の小雑誌を出しています。なかなか興味深い記事や連載、対談などが載っており、100ページほどの雑誌でありますが、読み応え十分と思います。
 最近の連載としては、山本勉先生による「鎌倉のみほとけを識る」があります。山本勉先生は、日本の美術史学者(日本彫刻史専攻)、鎌倉国宝館長、半蔵門ミュージアム館長、清泉女子大学名誉教授、東京国立博物館名誉館員という、仏像彫刻の専門家の中でも「超大物」の先生です。
 『かまくら春秋 6月号』の「かまくらのみほとけを識る」は、「阿弥陀三尊像 大町・教恩寺」です。教恩寺は、藤嶺学園理事長東山勉先生が御住職をなさっているお寺です。教恩寺さんの阿弥陀三尊像は、教恩寺本尊であり、1978年に神奈川県指定文化財になっています。余談ですが、かつて鎌倉国宝館の学芸員の方に伺ったところ、教恩寺阿弥陀三尊像は、国の重要文化財に近い優品とのことでした。
 さて、『鎌倉春秋 6月号』で山本勉先生が教恩寺阿弥陀三尊像をどのように紹介しているかと言うと、「今回は快慶と鎌倉とのかかわりを考えてみよう。」「その作風は仏師快慶の特色を示している。」「快慶が創出した安阿弥様の一例である。」「教恩寺像が快慶作品にごく近い形式・作風をもつことは明らかで、この三尊が鎌倉に伝来していることの意味は小さくない。」などになります。
 鎌倉に「快慶作」の仏像は確認されていない状況の中で、教恩寺阿弥陀三尊像は「快慶作」とは言えないまでも、快慶が創出した「安阿弥様」であることは間違いないようです。今後の研究が楽しみであることは間違いありません。
 なお、今秋10月には、鎌倉国宝館にて「教恩寺阿弥陀三尊像」の展示がおこなわれるそうです。
 ちなみに、山本勉先生は『ひととき2022年6月号 特集 鎌倉 ほほえみの美仏』の取材で、芸人の「みほとけ」さんとともに弊寺(鎌倉西御門来迎寺)を訪れています。
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