校長ブログ~防災の日~

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藤嶺 広報

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9月1日は「防災の日」です。この日は、1923年(大正12年)9月1日午前11時58分に発生し、南関東およびその周辺に甚大な被害をもたらした関東大震災に由来しています。死者・行方不明者は推定10万5千人にのぼり、明治以降の日本の地震被害として最大規模の災害となりました。
 爾来102年、私たちの国は幾度も自然災害に直面してきました。そのたびに人々は助け合い、困難を乗り越えて立ち上がってきました。学校における避難訓練や日頃の備えは、決して形だけのものではありません。「自分と仲間の命を守る」という意識を一人ひとりが持つことが、何よりも大切です。
 私たちは仏教の教えを基盤に日々を過ごしています。「いのちの尊さ」や「思いやり」を日常の生活に生かして行動することこそ、真の防災力につながるのではないでしょうか。今日という日を、自分自身の備えを振り返る機会として大切にしたいものです。
 さて、関東大震災を引き起こした大正関東地震は、相模トラフを震源とする「相模トラフ巨大地震」に分類されます。類似のメカニズムで起きた地震は、元禄16年(1703年)の「元禄関東地震」まで、220年さかのぼります。そして、さらにそれより208年前に明応四年(1495年)に相模トラフを震源とする「明応関東地震」があったと推定されています。さらにさかのぼること202年前の正応6年(1293年)に、関東地方南部に被害をもたらした「永仁の関東地震」があります。したがって、「相模トラフ巨大地震」は約200年周期で発生しているということになります。
 実は、拙寺(鎌倉市西御門来迎寺)は、永仁の関東地震により西御門にも亡くなった方がいて、その菩提を弔う(死者の冥福を祈って供養を行う)ために建立されたと言われています。来迎寺の起源を振り返ることは、これからの時代をどう生きるかの手がかりにもなるでしょう。

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