校長ブログ(1/15)

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袖振り合うも……

 遊行寺黒門(惣門)近くの伝道掲示板の「今月の言葉」は、「袖振り合うも多生の縁」です。「振り合う」は「すり合う」と、「多生」は「他生」と表記する場合もあるようです。「多生」は、「何度も生をかえてこの世に生まれ出ること」です。
 この句は、道行く知らぬ人と袖が触れ合うことさえ宿縁による。すなわち、ちょっとした出来事もすべて宿世の因縁によるという意味です。
 「宿縁」とは、「過去の生でなした行為と現在のこの身に生じたその結果との因果関係」です。「宿世」は、「過去前生の世」のことです。
 例えば、学校で机を並べている級友のことを考えてみて下さい。おそらくかなりの「偶然」が重なることで、机を並べることになったことでしょう。しかし、それは「偶然」ではなく、「袖振り合うも多生の縁」なのです。
 歌手の八代亜紀さんが亡くなりました。私は「舟歌」と「雨の慕情」くらいしか知りませんが、訃報を耳にしてなぜかショックでした。
 1/11付読売新聞朝刊に「八代亜紀さんを悼む」という五木ひろしさんの談が載っていました。お二人は1970年頃に銀座のクラブで出会ったそうです。五木さんが弾き語りをしていたお店に八代さんが歌手として入店したそうなのです。以来、お二人は苦節を経たあとに、ヒット曲に恵まれ、一流歌手として活躍されました。1980年には五木さんの「二人の夜明け」と八代さんの「雨の慕情」が音楽賞でしのぎを削り、「五八戦争」とも言われたそうです。銀座のクラブでの「偶然の出会い」のようですが、実は「袖振り合うも多生の縁」だったのでしょう。
 大袈裟に言えば、人との「多生の縁」によって、われわれは生きているし、生かされているのかもしれません。毎日を丁寧に生きればこそ、佳き「多生の縁」に恵まれるのだと思います。令和6年に佳き「多生の縁」がありますようお祈り申し上げます。

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