校長ブログ(11/26)

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一ツ火

 時宗総本山遊行寺では、毎年11月18日から11月28日まで「歳末別時念仏会」という特別な法要が行われます。この法要は、一遍上人以来今日まで 700 年以上も続けられている厳しい修行です。明治の頃までは12月24日から30日までの七日七夜にわたる行事でしたが、近年では11月に執り行われ、27日夜には「御滅燈(おめっとう)」の式、つまり「一ツ火」の儀式が行われます。この儀式は1年間の罪業(ざいごう)を懺悔(さんげ)して心身ともに清浄になって新しい年を迎えることと、さらに重要なことは、極楽世界への往生を体得することだと言われています。
 この修行 の中で最も厳粛なのは「一ツ火 」の式です。27日の夜は、遊行寺本堂内の一切の灯火が消されて、静まりかえった暗闇の中で式が始まります。遊行上人の底力のある念仏が静かな堂内に満ちてくると、末法のこの世の中に念仏のみがただ一つの救いであることが、胸の奥深くに沁み通るようであり、しばらくの間は身じろぐ人もいません。そして、新しい火が打ち出されて、次々に仏前の灯火が点じられていきます。堂内が次第に明るくなり、居並ぶ修行僧の顔が見え始める頃には、念仏の声も一段と高く響き渡っていきます。闇黒と光と念仏と、人々はこの3つが織りなす雰囲気に感激し、念仏のありがたさを体得するのです。ここに 700 年余にわたる伝統の火が念仏とともに輝き出すのです。

  一つ火の一会と思ふ小豆粥  北澤瑞史(本校旧職員/「季」創刊主宰/元藤沢市俳句協会会長/平成10年6月4日逝去)

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